ウサギに会える動物園
ウサギとは?
アフリカ大陸、北アフリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸に生息しています。
前足より後ろ足の方が長く、後ろ足で地面を蹴ってジャンプしながら高速で走ります。
ウサギの種類
日本の動物園にいるウサギは、ノウサギ属、アナウサギ属、アマミノクロウサギ属です。
ノウサギ属はニホンノウサギ、ユキウサギなどの種類がいて、日本各地に生息しています。
アナウサギ属は全世界の草原や森林・雪原などに生息し、地中に複雑な巣穴を掘って生活しています。
アマミノクロウサギ属は日本の奄美大島と徳之島に生息している絶滅危惧種です。
カイウサギについて
カイウサギは、アナウサギを原種とするペット、食用の家畜です。
多くの動物園や学校にいるウサギは、ペットとして品種改良されたカイウサギです。
家庭で飼育されているウサギはイエウサギとも呼びます。
代表的な品種に短毛で小型のネザーランド・ドワーフ、耳が大きく垂れているロップイヤー、巨大な大型種のフレミッシュ・ジャイアントがいます。
目の周りに特徴のあるアイラインを持つドワーフ・ホト、穏やかな性格のレッキス、長毛種のアンゴラ、友好的で人懐っこいジャージーウーリーなど、他にもたくさんのカイウサギの品種がいます。
日本にいる野生ウサギについて
大きく分けてニホンノウサギ、ユキウサギ、アマミノクロウサギの3種類がいます。
ニホンノウサギは、低山地から山地の草原や森林などに生息する日本固有種。
ニホンノウサギの仲間には、亜種のキュウシュウノウサギ、トウホクノウサギ、サドノウサギ、オキノウサギがいます。
ユキウサギは、北極圏や山岳地帯に適応した種です。
日本には、ユキウサギの亜種で北海道に生息するエゾユキウサギがいます。
アマミノクロウサギは、鹿児島県の奄美大島と徳之島に生息しています。
初めは広く分布していた種でしたが、環境の変化などで分布が縮小され、特定の地域にだけ取り残された遺存固有種とされています。
なぜ耳が長いの?
外敵の肉食動物が近づいてくるわずかな音に気づくためです。
ウサギの長い耳はアンテナのように音を集められ、小さな音でもすぐに察知することができます。
肉食動物に狙われていることに早く気づいて逃げるために、長い耳でわずかな音を聞き逃さないようにしています。
耳から熱を逃して体温調節をする役割もあります。
ウサギは人間と違い、ほとんど汗をかきません。
多くの血管が流れる長い耳を外の空気に当て、体中に流れる血を冷やすことで体が熱くなりすぎないようにしています。
ニホンノウサギ
- 和 名:
- ニホンノウサギ
- 英 名:
- Japanese Hare
- 学 名:
- Lepus brachyurus
- 分 類:
- ウサギ目ウサギ科ノウサギ属ニホンノウサギ
- 体 長:
- 50㎝前後
- 体 重:
- 2.5kg前後
- 生息地:
- 本州、四国、九州に生息する日本固有種です。
- 食べ物:
- 【野生】草、木の葉、新芽、樹皮を食べます。
背は茶褐色、腹は白色。
大きな耳で、敵の接近を素早く察知します。
後ろ足が発達しており、飛び跳ねて時速80kmのスピードを出すことができると言われています。
トウホクノウサギ
- 和 名:
- トウホクノウサギ
- 英 名:
- Japanese Hare
- 学 名:
- Lepus brachyurus angustidens
- 分 類:
- ウサギ目ウサギ科ノウサギ属ニホンノウサギ
- 体 長:
- 約45㎝
- 体 重:
- 約2.4kg
- 生息地:
- 北日本の森林地帯
- 食べ物:
- 【野生】木の芽、葉、草、冬には木の枝、皮も食べます。
【多摩動物公園】ウサギ用人工飼料を食べます。
夏毛は茶色、冬毛は白色。
単独で生活し、主に夕方と夜明け近くに活動します。
360度の視野を持つ眼、強靭な跳躍力を生む大きな後ろ足など、天敵から逃げるために進化した特徴を持っています。
オス4匹・メス4匹のトウホクノウサギが暮らしています。(2023年12月25日時点)
ノウサギたちの名前は植物にちなんでいて、オス4匹はブナ・スズナ・ハコベ・アオダモ、メス4匹はカシ・ハマゴウ・ムクロジ・ヒイラギです。
園内の郷土動物館で会えます。繁殖に取り組んでいるトウホクノウサギは、別の場所で過ごしているそうです。
繁殖シーズンは3〜10月で、この間に3〜5回ほど出産します。繁殖期間が長いので、全匹が郷土動物館に揃うことはまれです。
富山市ファミリーパークのトウホクノウサギの好きなご飯は、葉物の野菜と野草です。
1匹あたり、225gの野菜・190gの固形飼料・適量の野草を食べているそうです。
注目は、夏から冬にかけて変化する体毛の色。
トウホクノウサギの体毛は日照時間の変化に伴い、夏は褐色、冬は雪のように真っ白になります。
富山市ファミリーパークでは展示場でも体色変化が起きるように、人工的に昼と夜を逆にしたり日照時間をタイマーで調整したりと工夫をされています。
夏と冬に富山市ファミリーパークに行って、ぜひ体毛の変化を見てください。
また、昼夜逆転により日中に夜行性のトウホクノウサギが活動している姿も見どころです。
富山市ファミリーパークのトウホクノウサギ(夏毛)富山市ファミリーパーク提供
富山市ファミリーパークのトウホクノウサギ(冬毛)富山市ファミリーパーク提供
▼ トウホクノウサギに会える動物園 ▼
キュウシュウノウサギ
- 和 名:
- キュウシュウノウサギ
- 英 名:
- Japanese Hare
- 学 名:
- Lepus brachyurus brachyurus
- 分 類:
- ウサギ目ウサギ科ノウサギ属ニホンノウサギ
- 体 長:
- 40〜45㎝
- 体 重:
- 約2〜2.5kg
- 生息地:
- 日本(東北以南)
- 食べ物:
- 【野生】草、木の葉、芽を食べ、冬には木の枝や皮も食べます。
【多摩動物公園】ウサギ用人工飼料を食べます。
夜行性で、明るい時間帯は岩陰や木の根元などで休んでいることが多いです。
警戒心が強く、長い耳で小さな音でもすぐに察知できます。
慎重で怖がりな性格のペロ(オス)に会えます。(2023年12月15日時点)
キュウシュウノウサギという名前から九州が生息地と思われがちですが、東北地方以南の太平洋側や四国にも生息しています。周南市徳山動物園がある山口県にも生息していますが、近年は生息数が減少しています。
ペロは「ムササビ・ノウサギ舎」で、同じ夜行性のムササビと一緒に暮らしています。夜間開園の際には飼育員による解説が行われているそうです。
ご飯はリンゴやニンジン、サツマイモ、キャベツなどの葉物野菜、青草、草食動物用ペレットを食べています。おやつのブドウも好きですが、青草と葉物野菜が一番のお気に入りとのこと。
かくれんぼが得意で、ぱっと見ただけではどこにいるか分からないほど上手に草むらに身を隠します。
見つけにくいことも多いですが、キュウシュウノウサギが自然界で生き抜くために獲得したスキルの一つです。
草むらをよくみて、ペロがどこに隠れているのか見つけてみてください。
▼ キュウシュウノウサギに会える動物園 ▼
エゾユキウサギ
- 和 名:
- エゾユキウサギ
- 英 名:
- Mountain Hare
- 学 名:
- Lepus timidus ainu
- 分 類:
- ウサギ目ウサギ科ノウサギ属エゾユキウサギ
- 体 長:
- 50〜58㎝
- 体 重:
- 2〜3.9kg
- 生息地:
- 北海道
- 食べ物:
- 【野生】植物の葉、茎、芽などを食べ、積雪期は草の根や木の樹皮も食べます。
日本の野生種のウサギの中で最大。
足の裏には毛が密生しており「かんじき」のような役割を持つため、雪上でも埋まりません。
跳躍力に優れていて高さ約1.5m近く飛ぶことがあります。
▼ エゾユキウサギに会える動物園 ▼
アマミノクロウサギ
- 和 名:
- アマミノクロウサギ
- 英 名:
- Amami Rabbit
- 学 名:
- Pentalagus furnessi
- 分 類:
- ウサギ目ウサギ科アマミノクロウサギ属アマミノクロウサギ
- 体 長:
- 40〜50㎝
- 体 重:
- 1.5〜2.5kg
- 生息地:
- 奄美大島、徳之島
- 食べ物:
- 【野生】草、木の葉、芽を食べます。
夜行性のため、明るい時間は巣穴の中で過ごしています。
穴掘りがしやすいように硬く大きな爪を持っています。
手足が短く素早い動きはできません。
メスのテツコ、オスのユワンとケンタの3匹が仲良く暮らしています。(2023年12月16日時点)
テツコは、2012年に奄美大島瀬戸内町の道路上で保護されたアマミノクロウサギです。交通事故で傷を負っていたため、島内の動物病院で治療され、2019年に平川動物公園にやってきました。ユワンとケンタはどちらも慎重派なのに対して、テツコは警戒心が薄めの性格です。
鹿児島市平川動物公園のテツコ(提供:鹿児島市平川動物公園)
3匹の主食は野草類で、少量のサツマイモ・ニンジン・リンゴ・キャベツも食べています。大好物はイヌビワの葉、サツマイモ、リンゴとのことです。
注目ポイントは、硬くて大きな爪。長さは約1〜2㎝で、寝床用・子育て用の巣穴を掘る際に役立ちます。
鹿児島市平川動物公園のテツコ(提供:鹿児島市平川動物公園)
アマミノクロウサギはペットのウサギに比べて、手足が短く素早い動きはできません。
人の動きに敏感なので、飼育員はゆっくり動くことを意識してお世話をしているそうです。
▼ アマミノクロウサギに会える動物園 ▼
カイウサギ
- 和 名:
- カイウサギ
- 英 名:
- European Rabbit
- 学 名:
- Oryctolagus cuniculus
- 分 類:
- ウサギ目ウサギ科アナウサギ属アナウサギ
- 体 長:
- 30〜60㎝
- 体 重:
- 1.1〜4.5kg
- 生息地:
- 全世界、生まれは地中海沿岸の南ヨーロッパ及び北アフリカ
- 食べ物:
- 【野生】葉、芽、枝、樹皮を食べます。
【到津の森公園】乾草、ニンジン、イタリアングラス、モルモット・ウサギ用ペレットを食べます。
さまざまな品種があり、食用、毛皮用、ペット用に分けられます。
ペット用のウサギは、動物園や学校、家庭で飼育されています。
毛色は褐色や灰色、黒、白、茶色またぶち模様などで腹面は白っぽいものが多いです。
毛の長さが標準、短毛、長毛の3種類のウサギがいます。
▼ カイウサギに会える動物園 ▼
- 【北海道】釧路市動物園
- 【北海道】おびひろ動物園
- 【北海道】ノースサファリサッポロ
- 【宮城県】八木山動物公園フジサキの杜
- 【群馬県】桐生が岡動物園
- 【群馬県】野生の王国群馬サファリパーク
- 【茨城県】日立市かみね動物園
- 【埼玉県】大宮公園小動物園
- 【埼玉県】埼玉県こども動物自然公園
- 【東京都】上野動物園
- 【東京都】多摩動物公園
- 【東京都】井の頭自然文化園
- 【東京都】東京都立大島公園動物園
- 【千葉県】千葉市動物公園
- 【静岡県】浜松市動物園
- 【愛知県】のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)
- 【愛知県】岡崎市東公園動物園
- 【静岡県】伊豆シャボテン公園
- 【富山県】富山市ファミリーパーク
- 【長野県】須坂市動物園
- 【石川県】いしかわ動物園
- 【京都府】京都市動物園
- 【大阪府】池田市立五月山動物園
- 【兵庫県】神戸どうぶつ王国
- 【兵庫県】淡路ファームパーク イングランドの丘
- 【和歌山県】和歌山城公園動物園
- 【三重県】大内山動物園
- 【岡山県】池田動物園
- 【広島県】広島市安佐動物公園
- 【山口県】周南市徳山動物園
- 【愛媛県】愛媛県立とべ動物園
- 【高知県】わんぱーくこうちアニマルランド
- 【福岡県】福岡市動物園
- 【福岡県】大牟田市動物園
- 【福岡県】到津の森公園
- 【福岡県】海の中道海浜公園
- 【長崎県】長崎バイオパーク
- 【宮崎県】宮崎市フェニックス自然動物園
- 【鹿児島県】鹿児島市平川動物公園
- 【沖縄県】沖縄こどもの国
情報提供していただいた動物園
参考にした情報
- Wikipedia(ユキウサギ)
- Wikipedia(カイウサギ)
- Wikipedia(ニホンノウサギ)
- Wikipedia(エゾユキウサギ)
- Wikipedia(アマミノクロウサギ)
- Wikipedia(ウサギ)
- 旭川市旭山動物園(エゾユキウサギ)
- 札幌市円山動物園(エゾユキウサギ)
- よこはま動物園ズーラシア(トウホクノウサギ)
- 鹿児島市平川動物公園(キュウシュウノウサギ)
- 鹿児島市平川動物公園(アマミノクロウサギ)
- 広島大学デジタルミュージアム(ニホンノウサギ)
- 到津の森公園(カイウサギ)
- 東京ズーネット(トウホクノウサギ)
- 東京ズーネット(キュウシュウノウサギ)
- 東洋新聞ONLINE『ウサギの耳はなぜ長い?動物人間で見るその凄さ』
- 京都市動物園
- 群馬サファリパーク(アナウサギ)
- 琉球大学資料館(風樹館)『風樹館だより』
- 池田奈津美・尾和みゆき・根本徹『小学館の図鑑 動物』第5刷 小学館 2017 156p、158p、159p
- 鹿児島市平川動物公園『アマミノクロウサギの展示を開始します』
- 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(アマミノクロウサギ)
- 周南市徳山動物園(キュウシュウノウサギ)
- 富山市ファミリーパーク(トウホクノウサギ)
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